Toko Suzuki, pianist
スナイダー先生のレッスンの良いところは?何が違う?
「スナイダー先生のセミナーやレッスンは、他の先生とはどこが違って、どんなところが良いのでしょうか?また、それを受けたら、どんな変化が期待できるようでしょうか?」というご質問を受けたので、私の経験を踏まえ、私自身が先生のレッスンから何を得たかを考えてみました。
バリー・スナイダー教授のピアニズムとレッスンについて
私は日本で音大を卒業しましたが、国内外のクラシック演奏を聴くごとにその違いを感じ、私は海外のアーチストたちの演奏の面白さ、ライヴ感はどこから生まれるのか、日本人と外国人の演奏の違いの原因はどこにあるのか、そんな面白い演奏は日本人には無理なのだろうか、その答えが知りたくて、アメリカ留学を決意しました。ワイオミング州立大学で演奏家認定を取得後、もっと基礎から学び直したいと思って受験したのがイーストマン音楽学校で、そこで出会ったのがバリー・スナイダー教授です。私が彼の演奏を始めて聴いた時、その多彩な音色に非常に圧倒され、自分の探していた答えがここにある!と思いました。
スナイダー先生は「音色の魔術師」とも称されるほど、音色の多彩な先生です。彼のピアノの音色はピアノが打鍵楽器ということを忘れさせてくれるような音色で、19世紀のヨーロッパやロシアン・スタイルを引き継いだ、伝統的な「ピアノが歌う」弾き方です。「それぞれの作曲家には其々のスタイルと音色やアーティキレーションに特徴があり、その違いを活かして演奏すべきだ、」「ピアノは単に音が大きい、小さい、早い、遅い、だけでなく、ペダルとタッチの出し方を駆使することで、何十、何百通りもの変化をつけることができる」「演奏会場でどんなふうに音が響くのか、どのように聴き手に伝わっているのか、考えながら弾くこと」これが一番印象に残っている3つの教えです。
僕がクラシックの世界に
迷い込んだ時、
彼のところに無理やり押しかけて
教えてもらいました。
こんなに温かくて
深い音色で、
音楽の物語を紡ぐ人は
いないです!
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ー小曽根 真
(Jazz & Classical pianist)
スナイダー先生のレッスンは非常に具体的です。単に「こういう雰囲気」という感じで教えるのではなく、音楽理論と歴史的背景などの裏付けがあって、どうしてそういう解釈をするのか、ちゃんと根拠も説明してくれます。また、彼はそれを単に印象で表すのではなく、体や腕、指をどのように使えばどんな音が出るのか、ハンマーがどんなふうに動くのか、具体的に指摘しながら指導してくれます。かといって、単に自分の考えを押し付けるのではなく、個人の考えや音楽性を重視し、そこからどのように持っていけばより良い演奏につながるのか、導いてくれます。
日本の音大やコンクールを受験するためには、日本で好まれる演奏を追求するのは大事な目的だとは思いますが、国際的な舞台でそれが通用するのか、少し疑問に思うことも多い昨今です。演奏者がその曲をどう理解し、どのような解釈を持って、どう表現したいと思っているのか、その考えを尊重した上で、より音楽的に魅力的な演奏へと導いてくれる指導を受けることは非常に貴重な体験だと思います。何よりも、ピアノでそんな音が出るのかと思わせてくれるし、ピアノをもっと深く学びたいと思わせてくれるレッスンです。今回のセミナーでは「それぞれの作曲家にあった、曲の魅力を最大限に引き出せる演奏とは?」をテーマに、まずそれぞれの作曲家を音色や表現の違いを実際、聴いて体感して頂こうと思い、企画しました。きっとピアノという楽器に対する音の出し方、考え方が変わるきっかけを与えてくれる経験になると思います。
Barry Snyder
pianist
"Mr. Snyder is an interesting pianist, whose musical instincts result in performances of arresting, sometimes impulsive, gestures usually framed in bold, full‐blooded sonorities. He is a dashing technician who throws himself into his work with considerable panache. And if an occasional dropped note or smudged passage occurred here and there, these lapses rarely interfered with the overall vitality of his playing." - PETER G. DAVIS
NOV. 2, 1976 New York Times
国際的に認められるピアニストで指導者、バリー・スナイダー氏。1966年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにおいて、銀賞、パン・アメリカ・ユニオン賞、室内楽賞という3つの賞を同時受賞し、世界デビューを果たした。
それ以降、スナイダー氏はソロ、コンチェルト、室内楽奏者として、世界的にツアーを行い、また指導者としては数々のマスタークラスを行なってきている。
これまで、ロバート・ショー、レオポルド・ストコフスキー、デイビッド・ジンマン、シャルル・デュトワ、シクステン・エーリング、アーサー・フィードラーなど、著名な指揮者と共演。また、スナイダー氏は室内楽奏者としての評価が高く、ヘルマン・プライ、ズィー・ザイトレン、アニ・カヴァフィアン、シルヴィア・ローゼンバーグ、ボニータ・ボイド、スティーブン・ドーン、上海カルテット、クリーヴランド・カルテット等と共演。スナイダー氏はこれまで主要なレコード・レーベルから50枚以上に及ぶCDを発表してきているが、ここで挙げられた多くの共演者との演奏もその中に含まれる。
スナイダー教授はまた音楽界から高く評価された指導者でもある。1970年、イーストマン音楽学校・ピアノ科教授に就任、『アメリカで最も望まれるピアノ指導者』という本にも名前が掲載される。これまで、全米、ヨーロッパ、アジア各地でマスタークラスを行い、シンシナティ国際ピアノコンクールでは審査委員長を務め、グラスロー・ヤング・アーティスト・コンクールの審査員でもある。
スナイダー氏は20世紀、21世紀に作曲された現代音楽の演奏も意欲的に行なっており、シドニー・ハドキンソン、細川俊夫、オーガスタ・リード・トーマスらの作品の初演も手がけている。また、カーター・パンやヴァーン・レイノルズなどは彼の為の作品を書いている。
ベリー・スナイダー氏はソロを著名な指導者であるウィルヴァー・ハルマン、ヴラディミール・ソコロフ、シシリー・ゲンハートに、室内楽をジョン・セレンターノ、ブルックス・スミスに師事。
"バリー・スナイダー(の演奏)は見事だった。" - The New Yorker
"彼のきらきらと輝かしく、非常に柔軟で生き生きとしたピアノ演奏は文字通り座席から人を引き離そうとするものだった。" Vienna
"「実に素晴らしくて魅力的」という言葉を持ってさえしても彼の演奏の良さは表現しきれない。彼のヴィルトゥオーゾ的な演奏の妙技は完全に聴衆を虜にした。」-Terre Haute
Barry Snyder is an internationally acclaimed pianist and teacher, whose entry onto the international stage came after winning three major prizes at the 1966 Van Cliburn International Piano Competition: Silver Medal, Pan American Union Award and the Chamber Music Prize.
Since then, Snyder has toured the world performing concerti, presenting solo collaborative recitals, and leading master classes. Snyder has performed with conductors such as Robert Shaw, Leopold Stokowski, David Zinman, Charles Dutoit, Sixten Ehrling and Arthur Fiedler. A well-known collaborator, Snyder has appeared with artists such as Hermann Prey, Jan DeGaetani, Zvi Zeitlin, Ani Kavafian, Sylvia Rosenberg, Bonita Boyd, Steven Doane, and the Chilingarian and Cleveland Quartets. Many of these collaborations can be heard in Snyder’s substantial discography of over fifty recordings.
Held in high esteem by the professional community, Snyder is a widely sought-after teacher. Since 1970, Snyder has been Professor of Piano at the Eastman School of Music in Rochester, New York, and he is listed in the publication The Most Wanted Piano Teachers and has given master classes in the United States, Europe and Asia. As a juror, Snyder has chaired the jury for the World International Piano Competition in Cincinnati and was a member of the jury for the Glasgow Young Artists Competition.
Snyder is committed to performing 20th and 21st century repertoire, and has given world premieres of works by such composers as Syndey Hodkinson, Toshio Hosakawa and Augusta Read Thomas. Many compositions, such as those by Carter Pann and Verne Reynolds, have been written specifically for him.
Barry Snyder studied solo piano with renowned teachers Wilbur Hollman, Vladimir Sokoloff, and Cecile Genhart and studied chamber music with John Celentano and Brooks Smith.
"Barry Snyder was brilliant." The New Yorker
"His sparkling, inordinately flexible and lively piano playing literally tore one from the seat." Vienna
"Stunning doesn't come close to describing Snyder's performance. His virtuosity completely captivated everyone." Terre Haute